加藤智大

anonymous - human#4


182×97×80cm
2017
©Tomohiro Kato

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1981年、東京生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科博士課程工芸専攻を修了。鉄という素材を足がかりに社会に様々に存在する境界を探る。近年は実際に犯罪歴のあるの人物や兵器を3Dスキャンし複雑な鉄線の羅列に置き換え、鉄の堅牢で強固な物質性と映像的でヴァーチャルな干渉縞効果の相反する要素を併せ持つ、残像の如く揺らめく鉄の彫刻であるanonymousシリーズ、適切な粒度に砕いた酸化鉄をメディウムに添加した独自の画材を用いてレリーフ状にモチーフを描き出し、鉄そのものと見間違えるような赤錆の質感や重厚感を得た、鉄に擬態した絵画であるiron oxide paintingシリーズを中心に制作している。
今作は匿名の人体に這う影の反復だけを抽出し、複雑な鉄線の羅列に置き換えた彫刻である。彫刻を見つつ視点を動かすと鉄線の複雑な連なり、重なりが干渉縞(モアレ)の効果を生む。強固な物質は去勢され、ゆらゆらと曖昧に漂う亡霊のように映る。